アカデミー賞の日本人受賞者・歴代ノミネート者一覧!2019最新版

映画

アメリカのアカデミー賞(オスカー)を受賞した日本人の歴代一覧を紹介します。アカデミー賞の授賞式での英語でのスピーチ動画も必見です。

惜しくも受賞は逃した、歴代ノミネートされた日本人もどうぞ!

2018年日本人受賞者

2018年メイク・ヘアスタイリング賞を受賞した日本人は、辻一弘さん。作品は「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」です。

辻一弘さんはシノベーションスタジオに所属し、過去に2年連続でメイクアップ賞にノミネートされましたが、受賞には届かず。その後、現代美術の分野に転向していた辻一弘さん。

「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」で主演オファーされたゲイリー・オールドマンから「辻一弘さんが特殊メイクを担当しなければ作品に出ない」と発言したことで、映画界復帰を決意。その結果、今作でメイクアップ賞を日本人として初めて受賞しました。

こちらが辻さんのオスカー受賞スピーチ。


その他、オスカーにノミネートされていた日本人

  • 2016年「思い出のマーニー」長編アニメ作品賞ノミネート、米林宏昌さん。3年連続でジブリ映画のノミネートでしたが、惜しくも受賞ならず。
  • 2015年「かぐや姫の物語」長編アニメ作品賞ノミネート、高畑勲さん。製作に8年、総製作費は50億円で「国宝級」とまで称されました。

2014年日本人受賞者

2014年「風立ちぬ」長編アニメ作品賞ノミネート、宮崎駿さん。長編アニメ作品賞は逃したものの宮崎駿監督はアカデミー名誉賞を受賞しています。

この年長編アニメ作品賞を受賞したのは日本でも大ヒットした「アナと雪の女王」でした。

その他、オスカーにノミネートされていた日本人

  • 2014年「九十九」短編アニメ作品賞ノミネート、森田修平さん。日本画的な表現と、3DCGを融合させた作品です。
  • 2013年「白雪姫と鏡の女王」衣裳デザイン賞ノミネート、石岡瑛子さん。


石岡瑛子さんの遺作となった今作。10万粒以上、20色近いスワロフスキーを手作業であしらったドレスは圧巻です。石岡さんは1990年代の受賞欄で詳しく功績が見られますので最後まで見てください。

2009年日本人受賞者

2009年「おくりびと」外国語映画作品賞、受賞したのは滝田洋二郎監督。

ロサンゼルスメディアでは番狂わせが起きたと話題になりました。他の政治的な作品より、苦境の中で奮闘する人間の等身大を描いた「おくりびと」が評価たのです。滝田洋二郎監督は「映画の神様がたまたま落とし物をしたものが『おくりびと』のところに着いたのではないかと思います」と語っています。

2009年「つみきのいえ」で加藤久仁生さんが短編アニメ作品賞を受賞。

海面が上昇していく街に1人残った老人が、家を積み木のように建て増ししてなんとか暮らしていく物語。「どんな過酷な環境にあっても、人は生きていかねばならない」という加藤久仁生さんの想いが込められています。

アニメを見た人たちが、人生の中で大切にしているもの、過ぎ去ってしまったものに対してどのような姿勢をとるのか考えるきっかけを与える作品にしたかったと語っています。

その他、オスカーにノミネートされていた日本人

  • 2008年「マッド・ファット・ワイフ」メイクアップ賞ノミネート、辻一弘さん。主人公、妻、老父の3役を演じた主演のエディ・マーフィを、特殊メイクで支えた作品。
  • 2007年「バベル」助演女優賞ノミネート、菊池凛子さん。聴覚障害の女子高生役を演じた菊地凛子さん。役の保証がされていない段階で手話の訓練に励む、菊地凛子さんの熱意に感激して抜擢となりました。
  • 2007年「もしも昨日が選べたら」メイクアップ賞ノミネート、辻一弘さん。人生を早送りできる不思議なリモコンを使って、自分人生を思い通りに変えていく物語。主演の老け顔の特殊メイクが見どころです。
  • 2006年「ハウルの動く城」長編アニメ作品賞ノミネート、宮崎駿さん。この年は3作品だけのノミネート。宮崎駿監督を尊敬しているニック・パーク監督の「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」が賞を射止めました。
  • 2004年「ラスト サムライ」助演男優賞ノミネート、渡辺謙さん。日本で公開された2004年映画の興行成績1位。アメリカでの興行収入は1億ドルを突破し、日本人俳優が海外で大きく活躍した作品です。
  • 2004年「たそがれ清兵衛」外国語映画賞ノミネート、山田洋次さん。山田洋次監督は「自分の映画は外国であまり評価されなかったし、外国を意識して作ってこなかったので驚きだ」と語っていました。

2003年日本人受賞者


2003年「千と千尋の神隠し」長編アニメ作品賞、受賞されたのは宮崎駿監督。

日本の興行収入304億円という驚異的な大ヒットを記録した、老若男女が楽しめる作品。海外でも評価は高く、ベルリン国際映画祭ではアニメ作品史上初となるゴールデン・ベア賞を受賞しました。

1990年代日本人受賞者

1999年「パーソナルズ~黄昏のロマンス~」ドキュメンタリー短篇賞、受賞したのは伊比恵子さん。

地域のコミュニティセンターを舞台に、ニューヨークのユダヤ系の老人たちが、芝居作りに熱中する姿を描いた作品。人生の終わりが近づいても、パートナーを求める老人の孤独さを浮き彫りにしています。


伊比恵子監督の流暢な英語での受賞スピーチはこちら↑。

1993年「ドラキュラ」衣裳デザイン賞、受賞したのは石岡瑛子さん。こちらが受賞スピーチの映像です。


手掛けた「ドラキュラ」の衣装は、ゴシックホラーに相応しい上品で優雅な衣装たち。「今でもあの衣装が大好きなんです」というファンは多くいます。俳優の伊勢谷友介さんが影響を受けたという石岡瑛子さんのドラキュラの衣装「このコスチュームが、僕を映画に目覚めさせてくれました。」と自身のインスタグラムでコメント。

1990年、名誉賞を受賞した監督の黒澤明さん。その功績をたたえて、特別名誉賞を日本人で初めて受賞しました。ジョージ・ルーカス、スティーブン・スピルバーグ監督との3ショットは話題になりました。

会場では「現役の世界最高の監督です。“映画とは何か”に答えた数少ない映画人の彼にこの賞を送ります」と紹介されています。

1980年代日本人受賞者

 

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1988年「ラストエンペラー」で作曲賞を受賞した坂本龍一さん。

西洋風のオーケストラ音楽に中国的な要素を盛り込み、ファシズムの台頭を感じさせるイメージで曲を作ったとのことです。こちらが坂本龍一さんの受賞スピーチの様子。


「戦場のメリークリスマス」では全て楽曲が使われていましたが、「ラストエンペラー」では2週間で45曲作った曲のうち半分しか使われておらずがっかりした、というエピソードがあります。

出典:https://www.cinra.net/interview/201503-marystuart

1986年黒澤明監督映画「乱」衣裳デザイン賞を受賞したワダエミさん。

日本映画の衣装デザインを担当したのは今作が初めてでした。わくわくしながらひそかに集めた資料を車いっぱいに積んで黒澤明監督と打ち合わせに臨んだとのこと。「現代の人から見て魅力がある衣装を作りたかった」と語るワダエミさんは、作品で使う全ての衣装を作っています。

受賞のスピーチは素敵な着物姿で登場。

その他、オスカーにノミネートされていた日本人

  • 同じく「乱」で3つの賞がノミネートされています。監督賞ノミネート、黒澤明さん。撮影賞ノミネート、斎藤孝雄さん。上田正治さん。美術賞ノミネート 村木与四郎さん。村木忍さん。
  • 1982年「泥の河」外国語映画作品賞ノミネート、小栗康平さん。スティーブン・スピルバーグ監督が「子役に対する演出が素晴らしい」と絶賛。直接小栗監督に会いに行ったとのことです。
  • 1981年「影武者」外国語映画作品賞ノミネート、黒澤明さん。同じく「影武者」美術賞ノミネート、村木与四郎さん。10年振りに製作した時代劇映画。壮麗な合戦絵巻が評判を呼びました。

1970年代日本人受賞者


1976年「デルス・ウザーラ」外国語映画作品賞を受賞した黒澤明さん。若い頃の監督のスピーチが上の動画で見られます。

ソ連から誘われ製作した今作は、約8ヵ月間のシベリアでのロケを含み撮影期間は1年間にもわたりました。猛暑の夏、極寒の冬という厳しい自然環境をとらえた映像は映画史上に残る凄まじさです。

その他、オスカーにノミネートされていた日本人

  • 1976年「サンダカン八番娼館 望郷」外国語映画作品賞ノミネート、熊井啓さん。
  • 1972年「どですかでん」外国語映画作品賞ノミネート、黒澤明さん。
  • 1971年「トラ・トラ・トラ!」で3部門ノミネートしました。撮影賞、姫田真左久さん、古谷伸さん、佐藤昌道さん。編集賞、井上親弥さん。美術賞、村木与四郎さん、川島泰造さん。
  • 1968年「智恵子抄」外国語映画作品賞ノミネート、中村登さん。
  • 1967年「砲艦サンパブロ」助演男優賞ノミネート、マコ岩松さん。
  • 1967年「天地創造」作曲賞ノミネート、黛敏郎さん。
  • 1966年「砂の女」監督賞ノミネート、勅使河原宏さん。
  • 1966年「怪談」外国語映画作品賞ノミネート、小林正樹さん。
  • 1965年「砂の女」外国語映画作品賞ノミネート、勅使河原宏さん。
  • 1964年「古都」外国語映画作品賞ノミネート、中村登さん。
  • 1962年「永遠の人」外国語映画作品賞ノミネート、木下恵介さん。
  • 1962年「用心棒」衣裳デザイン賞ノミネート、村木与四郎さん。

1950年代日本人受賞者

1958年「サヨナラ」助演女優賞、受賞したナンシー梅木(Miyoshi Umeki)さん。未だに日本人唯一のオスカー女優であり、演技賞で受賞したのもナンシー梅木さんだけです。

26歳で渡米し、タレントスカウト番組に出演。着物姿で英語の曲を歌い、大きな注目を集めました。アメリカで歌手として知られるようになったナンシー梅木さんは、本作でハリウッドデビューを果たします。こちらの英語での受賞スピーチはステキな人柄が伺えます。

その他、オスカーにノミネートされていた日本人

  • 1958年「戦場にかける橋」助演男優賞ノミネート、早川雪洲さん。
  • 1957年「ビルマの竪琴(第一部/第二部)」外国語映画作品賞ノミネート、市川崑さん。
  • 1957年「十戒」美術賞ノミネート、アルバート野崎さん。
  • 1957年「七人の侍」美術賞ノミネート、松山崇さん。衣裳デザイン賞ノミネート、江崎孝坪さん。

 

 

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1956年「宮本武蔵」外国語映画作品賞を受賞した稲垣浩さん。日本映画の基礎を作った監督の1人で、生涯で100本もの映画を撮影しました。アカデミー賞を受賞したときは、「日本の映画賞をもらったことのない私の作品が、アメリカの賞をもらうとは全くわからぬことである」と語っていました。

1955年「地獄門」衣裳デザイン賞、受賞した和田三造さん。スピーチは一瞬ですが、礼儀正しい姿が大変日本人らしいです。

和田三造さんは東京美術学校を卒業し、第1回文部省美術展覧会にて最高賞を受賞。色彩研究に力を入れていました。本作で担当した衣装デザインの色彩が高く評価され、カンヌ国際映画祭でもパルム・ドールに選ばれています。

出典:http://kameyamarekihaku.jp/kodomo/w_e_b/meiyo/page001.html

同じく「地獄門」外国語映画作品賞、受賞した衣笠貞之助さん。もともとは日活向島撮影所に女形俳優として入社し、5年間で約130本の作品に出演しました。1920年頃から映画界が女優を採用するようになり、映画監督に転身。

始めのうちは自らが女形として出演していました。日本映画で初めてカラーフィルムを使った本作は、国際的にも高い評価を得ました。

1953年「羅生門」美術賞ノミネート、松山崇・松本春造さん。

 

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Akira Kurosawa Archiveさん(@akira_kurosawa_archive)がシェアした投稿

1952年「羅生門」外国語映画作品賞、受賞した黒澤明さん。

人間のエゴイズムを鋭く追及した作品です。当時はタブーだった太陽に直接カメラを向ける画期的な手法で、モノクロ映像の美しさを極限にまで表現しています。日本映画で初めてヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞。日本映画と黒澤明監督が「世界のクロサワ」と認知されるきっかけになりました。


その他、オスカーにノミネートされていた日本人

  • 1937年「巨星ジーグフェルド」美術賞ノミネート、エディ今津さん。

日本人受賞者まとめ

2回ノミネートで惜しくも受賞を逃していた辻一弘さんは、2018年メイクアップ・ヘアスタイリング賞で念願の受賞を果たしました。

これまでに名誉賞を受賞したのは、2回の受賞、3回のノミネートを果たした黒澤明監督と、1度の受賞、2回のノミネートをした宮崎駿監督です。

日本人で演技賞を受賞したことがあるのは、1958年助演女優賞を受賞したナンシー梅木さんだけです。

特に日本人らしい人間の心の機微に触れる物語や、和の世界観が世界で評価されていると言えます。

アカデミー賞|歴代最多受賞・ノミネート作品一覧【2019】最新版