世界で活躍する日本女子サッカー代表・なでしこジャパン。日本代表選手を指導してきた歴代監督の一覧を紹介。
女子サッカーは、1991年から開催されたFIFA女子ワールドカップ、オリンピックには1996年から加えられました。1990年代から現在の監督の一覧、W杯優勝に導いた監督の今は?現在の監督の昔や評判などまとめました。
なでしこジャパン歴代監督 1990年代
出典:http://tsukai-shizuoka.jp/sports019.html
鈴木 保さん(1989~1996)
- 元サッカー選手。28歳に引退後は日産のコーチ、監督を務めます。
- 第2回女子ワールドカップ(1995)でグループリーグを突破し、決勝トーナメント進出。
- AFC女子アジアカップ(1991、1995)準優勝。
- アジア競技大会サッカー競技(1990、1994)準優勝。
出典:https://web.gekisaka.jp/photonews/photolist?news_id=10531&photo_no=5
宮内 聡さん(1997~1999)
- アジアクラブ選手権(1986)の優勝に貢献した元サッカー選手。
- 1995~1996年までは、なでしこジャパンのコーチに就任されていました。
- 1999年の女子ワールドカップで敗退、シドニーオリンピック出場権を逃してしまいます。
- 現在は成立学園高校サッカー部の総監督。
なでしこジャパン歴代監督 2000年代
出典:https://futabafuture.com/2016/12/07/20161022ueda/
上田 栄治さん(2002~2004)
- 第4回女子W杯、アテネオリンピック出場に導きました。
- アテネオリンピックの年に愛称がなでしこジャパンに決定。
- アテネオリンピックでは警告・退場者ゼロでフェアプレー賞を獲得。
出典:https://blogs.yahoo.co.jp/ma3104h/16663607.html
大橋 浩司さん(2004~2007)
- 1999年、現役の中学教師として初めてのJFA公認S級コーチライセンスを取得。
- AFCアジアカップ(2006)準優勝。北京オリンピック出場権獲得。
- 女子ワールドカップ(2007)出場。
なでしこジャパン歴代監督 佐々木則夫
2008~2016年までなでしこジャパンの監督を務めた、佐々木則夫さん。
33歳で現役を引退した佐々木則夫さんは、2006年から日本女子代表コーチ、U-17、U-20の日本女子代表監督を経験。
2008年からなでしこジャパンの監督に就任し、監督しては初戦である、東アジアサッカー選手権で3戦全勝。
なでしこジャパンに初タイトルをもたらしました。
2011年には女子ワールドカップ優勝を果たし、アジア人として初となるFIFA女子世界年間最優秀監督賞を受賞。(『なでしこ力』佐々木則夫)
AFC女子アジアカップ(2014)で優勝、アジア初制覇を達成します。
数々のビッグタイトルをなでしこジャパンにもたらした佐々木則夫監督ですが、2016年、リオデジャネイロオリンピックの出場権獲得を逃したことにより退任。
戦術のマンネリ化、選手との溝が指摘されていました。
佐々木則夫監督の名言
佐々木 則夫さん(2008~2016)の名言
- いつでも選手と同じ目の高さで、『横から目線』で接するように心がけている
- 成功の反対は失敗ではなく、『やらないこと』だ
- 女性をうまく扱うことはできないが、女性の意見に耳を傾けて、自分を変えることぐらいならできる
- 選手が成長するかどうかは、技術や知識ではなく、『決意が本物かどうか』で決まるものだ
- 『できる』と信じて全員で歩を進めれば、今は霞んで見えないそのゴールにも、必ず辿り着くことができる
佐々木則夫監督は、選手が言うことに頭から否定することはなく、まずじっくり話を聞くことを大切にしています。
思いを伝えることで不安をなくし、育んだチームワークが素晴らしいプレーを生みました。
コミュニケーションを大事にする佐々木則夫監督の姿勢が、名言として表れています。
佐々木則夫監督の現在は実業家?
2016年に退任した、佐々木則夫さん。
現在は埼玉県にある、十文字学園女子大学副学長を務めており、特別講義や教職員への研修を担当されています。
他に大宮アルディージャのトータルアドバイザー、2018年には日本サッカー協会の理事に就任しました。
のりさんキャンプ、のりさん少年少女サッカークリニック、のりさんガールズ&レディースサッカーフェスティバルといった、全国各地でサッカーが好きな少年少女に向けた活動を今も精力的に行っています。
元なでしこジャパン監督の佐々木則夫さんは、実業家としては活動していません!
同姓同名である、元東芝の代表取締役社長で実業家の佐々木則夫さんが一緒に検索されてしまようです。
2015年の東芝不適切会計問題の中枢人物だったため、なおさら検索されやすいかと推測されます。
なでしこジャパン歴代監督 高倉麻子
2016年からなでしこジャパンの監督に就任した、高倉麻子監督。
高倉麻子監督は福島県福島市出身、1968年生まれで現在50歳です。
夫はサッカー指導者の竹本一彦さん。
2011年に、女性では3人目となるJFA公認S級コーチライセンスを取得。
2013年からU-16の日本女子代表監督に起用され、AFC U-16女子選手権を制覇。
U-17女子ワールドカップ(2014)初優勝。
AFC U-19女子選手権(2015)優勝。
同年、2015年にはAFC女子年間最優秀監督に4年連続で選ばれました。
高橋監督の著書:『個を生かし和を奏でる 世界一に挑む45の流儀』高倉麻子
高倉麻子監督の若い頃とは
高倉麻子監督は元サッカー選手です。
中学生の頃に1972年に誕生した、女子サッカー初のクラブチーム、FCジンナンに所属。
15歳の時に日本女子代表に選出され、16歳の時にイタリア戦にて代表デビューを果たします。
1985年に、読売日本サッカークラブ・ベレーザ(現日テレ・ベレーザ)に入団。攻撃的MFとして活躍します。
1991年、後のFIFA女子ワールドカップである、第1回FIFA女子世界選手権に出場。
第2回FIFA女子ワールドカップ(1995)、アトランタ五輪(1996)に出場と、輝かしい経歴を持っています。
36歳の頃に現役を引退。
公式戦出場226試合は2004年当時、歴代1位の記録でした。
高倉麻子監督の評価
2016年から監督を務める高倉 麻子さん。
澤穂希選手などの主力選手の引退もあり伸び悩んだと言われる、なでしこジャパン。
しかし2018年4月に開催されたAFC女子アジアカップでは大会2連覇を達成。一戦一戦成長し、チームワークが出来ていた、と高倉麻子監督の采配も評価されていました。
中には厳しい声が多数あるのも事実。
引き合いに出されているのは、FIFA U-20女子ワールドカップにてヤングなでしこを初優勝へ導き、注目を集めた池田太監督。
「池田太監督の方が攻撃パターンが豊富」という意見もありましたが、高倉麻子監督もアジア大会で守備を減らし、攻撃の人数を増やすシステムを採用し、試合の主導権を握りました。
試合の中で様々なポジション、戦術を試し、素晴らしい化学反応が起きるのを待っている、という印象を受けます。
高倉麻子監督が語る、選手の選考基準は「異端ともいえる強烈な個性」です。
高倉麻子監督のもとで、どのようになでしこジャパンが姿を変えていくのか期待されます。
〜まとめ〜
歴代なでしこジャパン監督
- 1989~1996年:鈴木 保さん
- 1997~1999年:宮内 聡さん
- 2002~2004年:上田 栄治さん
- 2004~2007年:大橋 浩司さん
- 2008~2016年:佐々木 則夫さん
- 2016年~:高倉 麻子さん
「いつでも選手と同じ目の高さで、『横から目線』で接するように心がけている」という名言を残した佐々木則夫元監督が大事にしていたのは、選手とのコミュニケーション。
佐々木則夫さんは現在、埼玉県の十文字学園女子大学副学長に就任し、少年少女に向けたサッカー教室を開催するなどの活動を行っています。
同姓同名の実業家、佐々木則夫さんとは別人。
現なでしこジャパン監督の高倉麻子さんは、過去に女子ワールドカップやオリンピックにも出場し、実力のある攻撃的MFの選手でした。
指導者としても評価は高く、AFC女子年間最優秀監督に4年連続で選ばれています。
ネットではU-20女子代表監督の池田太監督を推す厳しい声も。
ポジション、戦術を試行錯誤する高倉麻子監督。これからのなでしこジャパンへの期待が高まります。