アメリカ・アカデミー賞史上、歴代最多のオスカー受賞作品とノミネート最多作品を紹介します。
2019年の1月22日にノミネートが発表され、授賞式は2019年2月25日(日本時間)。
2019年最新版、過去最多の授賞・ノミネート作品をどうぞ!
アカデミー賞全部門・主要部門
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2019年で第91回を迎える、アカデミー賞。いろんな賞の名前を聞きますが部門はいくつでしょうか?
まず、よく予想されている6つの主要部門から。取り扱うようになった年も紹介します。
- 作品賞(1928年~初期は内容によって部門が分かれていました)
- 監督賞 (1928年~)
- 主演男優賞 (1928年~)
- 主演女優賞 (1928年~)
- 助演男優賞 (1936年~)
- 助演女優賞 (1936年~)
主要6部門の他に、18つの部門がこちらです。
- 外国語映画賞(1947年~)
- 短編映画賞 (1974年~)
- 長編ドキュメンタリー賞 (1980年~)
- 短編ドキュメンタリー賞 (1980年~)
- 短編アニメ賞 (1931年~)
- 長編アニメ賞 (2001年~)
- 撮影賞 (1928年~)
- 脚色賞 (1928年~)
- 脚本賞 (1940年~)
- 視覚効果賞 (1939年~)
- 編集賞 (1935年~)
- 音響編集賞 (1963年~)
- 録音賞 (1930年~)
- 歌曲賞 (1934年~)
- 作曲賞 (1934年~)
- 美術賞 (1928年~)
- 衣裳デザイン賞 (1948年~当時は白黒とカラーで部門が分けられており、1957年に統一)
- メイクアップ&ヘアスタイリング賞 (1981年~)
これらの24部門の他に、『表彰に値する顕著な功績のあった者』に対して特別賞や名誉賞が贈られることがあります。たくさんありますね!
名誉賞はあの日本人の監督も受賞しています。
続いて、歴代最多ノミネート作品と、最多受賞作品をランキングにして1位から3位をご紹介します。
歴代最多ノミネート作品
1位:14部門ノミネート「タイタニック」(1997年)、「イヴの総て」(1950年)
「タイタニック」は全米で6億ドル、日本での興行収入262億円を記録し、映画パンフレットは日本で153万部も売り上げました。同監督の「アバター」に抜かれるまでは映画史上最高の世界興行収入であるとしてギネスブックに登録されていました。
1950年「イヴの総て」の監督、マンキーウィッツさんは脚本も担当し、前年のアカデミー賞に続いての受賞を果たし、2年連続4つのアカデミー賞を獲得したのはマンキーウィッツさんのみ。また、無名の頃のマリリン・モンローが脇役で出演していることでも知られる作品です。
同率1位:13部門、14ノミネート「ラ・ラ・ランド」(2017年)
歌曲賞で2曲が「ラ・ラ・ランド」からノミネートされたため、13部門14ノミネート。ヴェネツィア国際映画祭では極めて高い評価を得ており、BBCの2016年の映画トップ10でも1位に選出されています。「君の名は。」で知られる新海誠監督も「音楽と映画の特別な瞬間が何度もあった」と絶賛しています。
一方で宣伝が過剰すぎたとの批判や、賛否分かれるラストの感想なども話題になった作品でもあります。(参照:『ララランド』感想の酷評・号泣を比較|ラストのもやもやの解釈も!)
3位:13部門ノミネートした作品は8つもあります。
- 「シェイプ・オブ・ウォーター」(2018年)恋人のいない孤独な思いを抱えた発話障害の女性が、半魚人のような異形な存在と恋をする、今までにない物語。監督デル・トロの「パンズ・ラビリンス」以来の最高傑作と絶賛されました。
- 「シカゴ」(2003年)ミュージカル映画はヒットに恵まれない、というジンクスを覆した作品。キャッチコピーは「この街では、銃弾一発で有名になれる。」
- 「恋に落ちたシェイクスピア」(1999年)若かりし日のウィリアム・シェイクスピアと、彼を慕う上流階級の娘ヴァイオラとの悲喜劇の恋物語。劇中には歴史上の人物が多数登場しています。
- 「フォレストガンプ 一期一会」(1995年)人より知能は低いが、純粋な心と周囲の協力を受けて成功を収めていくフォレストの半生を描いた映画。羽が舞うシーンは当時、映画1本分もの費用がかかっていると言います。
- 「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない」(1967年)2組の夫婦の偽善的な関係が暴かれていく作品。原作は舞台演劇で、現代アメリカ演劇の代表的な作品の1つと言われています。
- 「メリー・ポピンズ」(1965年)魔法が使えて、美人で賢く優しい乳母のメリーが家族を笑顔にさせる物語。実写とアニメーションを合成する手法を取ったディズニー映画。
- 「地上より永遠に」(1954年)集団、戦争の愚かさ、人間そのものを描いた作品。「ローマの休日」を抑えて8部門受賞しています。
- 「風と共に去りぬ」(1940年)全編3時間42分という大長編映画。撮影に要した時間はなんと3年。プロデューサーのセルズニックが自分の意志を通すため、脚本家や監督を交代させた逸話があります。
歴代最多受賞作品
1位:11部門の受賞をした3作品。
「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」(2003年)
「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ3作目最終章の王の帰還は、11部門ノミネートの全てを受賞し話題になりました。また、ファンタジー映画で初めての作品賞を受賞しています。
「タイタニック」(1997年)
「タイタニック」は14部門ノミネート、11部門の受賞と、どちらも最多記録になっています。
「ベン・ハー」(1959年)
「ベン・ハー」は1907年、1925年にサイレント映画化され大ヒット。1959年公開の本作でも全世界でヒットし、その収益で倒産寸前だったMGMを一気に立て直しました。
2位:10部門の受賞をした「ウエスト・サイド物語」(1962年)です。
ウエスト・サイド物語はアメリカの代表的なミュージカル映画で見たことはなくてもその名は誰もが知っている有名な作品でしょう。
映画の中で歌われる曲も大人気で、サウンドトラック・アルバムの売り上げは凄まじいもの。日本では興行収入は「ベン・ハー」を凌ぐ記録となりました。
3位:9部門受賞した3作品「イングリッシュ・ペイシェント」(1997年)、「ラストエンペラー」(1988年)、「恋の手ほどき」(1959年)です。
「イングリッシュ・ペイシェント」で描かれたのは、戦争で全身に火傷を負い、記憶を失った男が少しずつ取り戻していく、人妻との恋物語。映像美とこだわりぬいた演出が見どころです。
「ラストエンペラー」はノミネートした9部門の全てを受賞しました。清朝最後の皇帝、後に満州国皇帝となった溥儀の人生を大胆な創作を盛り込んで描いた作品。坂本龍一さんが音楽プロデューサーを務め、日本人俳優が多く出演しています。
「恋の手ほどき」は無邪気な少女が行儀作法を教えられ、淑女に成長していく恋物語。初めてノミネートした全ての部門で受賞した作品です。「まるでルノワールの絵画から飛び出てきたような世界観でした。愛らしいほどのおてんば娘が大人へと成長していく姿は素晴らしかったです」という声がありました。
歴代最多受賞・ノミネート作品まとめ
主要部門は6つ。作品賞、監督賞、主演女優賞、主演男優賞、助演女優賞、助演男優賞です。他に18つの部門があります。
最多ノミネート作品は14部門ノミネートした2作品「タイタニック」(1997年)、「イヴの総て」(1950年)です。
続いて13部門、14ノミネート「ラ・ラ・ランド」(2017年)です。歌曲賞で2つの曲がノミネート。
最多受賞作品は11部門の受賞をした3作品。「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」(2003年)、「ベン・ハー」(1959年)、「タイタニック」(1997年)です。